【速報版】新型コロナウイルス感染症拡大に際しての電話・情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)について

2020/04/11
お知らせ

令和2年4月10日に厚生労働省より「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の 時限的・特例的な取扱いについて」が発出されました。

これにより、初診(通院したことがある病院に新しい症状で受診する/通院したことがない病院に受診する)を電話・情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)で行うことが認められました。

下記に要点をまとめました。
※下記情報は、令和2年4月10日厚生労働省発出「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」を元に作成しており、解釈を保証するものではありません。また、一部抜粋しており詳細は公的機関による原典をご確認ください。
 

<診療上の取扱い>

【初診】

患者から電話等で診療等の求めを受けた場合、医師がその医師の責任の下で可能と判断した範囲において、電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方が可能になりました

■通院歴(診療録)がある場合:

基礎疾患情報等を把握して行う必要があります。また、麻薬及び向精神薬の処方はできません。


■通院歴(診療録)がない場合:

処方日数は上限7日間に制限され、麻薬及び向精神薬に加えて特に安全管理が必要な医薬品(厚生労働省指定)の処方はできません。

 

(注意点)以下の1~3を満たす必要があります。
  1. 電話・情報通信機器を用いて診療を行うことが適していない症状や疾病、生ずるおそれのある不利益や急病急変時の対応方針等について、医師から患者に対して説明の上、診療録に記載すること

  2. 対面による診療が必要と判断される場合は、電話や情報通信機器を用いた診療を実施した医療機関において速やかに対面による診療に移行する又は、それが困難な場合は、あらかじめ承諾を得た他の医療機関に速やかに紹介すること

  3. 保険証の確認により、なりすまし防止に努めること

    • テレビ電話を使用する際は、患者については被保険者証・医師について顔写真付きの身分証明書によって本人確認を行うこと

    • 電話を使用する際には、患者の被保険者証の写しをファクシミリで医療機関に送付、メールで送付するなどして確認を行うこと

    • 電話であって、ファクシミリやメールが困難な場合は、電話で氏名、生年月日、連絡先(電話番号、住所、勤務先等)に加え、保険者名、保険番号、記号、番号等の被保険者証の券面記載事項を確認すること

【再診】

■既に対面診療で診断されて治療中の患者の場合:
  1. これまで処方されていた医薬品については処方可能です。
  2. 発症が容易に予測される症状の変化に対してこれまで処方されていない医薬品を処方する場合は、以下の場合にそれぞれ条件を満たせば可能です。

 

  • 既にオンライン診療を行っている場合:

オンライン診療を行う前に作成していた診療計画に発症が容易に予測される症状の変化を追記し、患者の同意を得ること

※オンライン診療により十分な医学的評価を行い、その評価に基づいて追記を行うよう求められています。

 

  • オンライン診療を行ったことが無い場合:(新型コロナウイルス対策によって電話等再診等を実施して慢性疾患に対して処方していた場合を含む)

電話や情報通信機器を用いた診療により生じるおそれのある不利益、発症が容易に予測される症状の変化、処方する医薬品等について、患者に説明し、同意を得ておくこと。また、その説明内容について診療録に記載すること

 

■上記【初診】の項目に従って初診を行った患者の2回目以降の場合:

上記【初診】の項目に沿って従うことが求められております。
すなわち、対面診療をしたことがない医療機関を電話・情報通信機器を用いた診療によって複数回受診する場合は、都度処方上限が7日間となります。
また、感染が収束して本事務連絡が廃止された後に診療を継続する場合は、直接の対面診療を行うことと求められています。


<薬の取扱い>

医療機関から患者が希望する薬局にファクシミリ等により送付する事で、薬局は調剤可能です。原本は、可能な時期に薬局が入手することとされています。
調剤した薬剤は、温度管理や確実な受理がなされる方法(書留郵便等)で渡すよう求められております。また、確実に授与されたことを電話等により確認することが求められています。
なお、院内処方を行う場合は、患者と相談の上、医療機関から直接配送等により患者へ薬剤を渡すことができます。
また、服薬指導については薬剤師の判断において電話や情報通信機器を用いた服薬指導を行ってよいとされています。
 


<支払い>

患者が保険医療機関に対して支払う一部負担金等の支払方法は、銀行振込、クレジットカード決済、その他電子決済等の支払方法により実施してよいとされています。


<その他>

  • 電話や情報通信機器を用いた診療や受診勧奨を行う医療機関は、その実施状況について、別添1の様式により、所在地の都道府県に毎月報告を行うこと。また、各都道府県は管下の医療機関における毎月の実施状況をとりまとめ、厚生労働省に報告を行うことが求められております。
  • 新型コロナウイルスに罹患し、自宅療養または宿泊療養する軽症患者については、、新型コロナウイルス感染症の増悪が疑われる場合や、それ以外の疾患が疑われる場合において、当該患者の診断を行った医師又は新型コロナウイルス感染症の診断や治療を行った医師から情報提供を受けた医師は、医学的に電話や情通信機器を用いた診療により診断や処方が可能であると判断した範囲において、患者の求めに応じて、電話や情報通信機器を用いた診療により、必要な薬剤を処方してよいとされました。
     

<補足:新型コロナウイルス対策にかかる特例以前のオンライン診療>

1.3か月の対面

オンライン診療料対象管理料等を初めて算定した月から3月以上経過し、かつ、オンライン診療を実施しようとする月の直近3月の間、オンライン診療料対象管理料等の対象となる疾患について、毎月対面診療を受けている患者が対象です。

2.緊急時の体制

患者の急変時等の緊急時には、原則として、当該医療機関が必要な対応を行うことが求められております。ただし、夜間や休日など当該医療機関でやむを得ず対応できない場合については、患者が速やかに受診できる医療機関において対面診療を行えるよう、事前に受診可能な医療機関を患者に説明した上で、当該計画の中に記載しておくことで問題ないとされております。

3.対象疾患(対象となる医学管理料)

高血圧や糖尿病、喘息などの慢性期の疾患を有し、医療機関によって特定の医学管理料を算定していることが要件です。
 

詳細は、公的機関の情報をご確認ください。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00027.html