YaDoc、聖路加国際病院とともに術後患者さんのオンラインフォローアップを目指した実証研究を開始

2019/08/29
プレスリリース

聖路加国際病院(所在地:東京都中央区、院長:福井 次矢)と、株式会社インテグリティ・ヘルスケア(本社:東京都中央区、代表取締役会長:武藤 真祐、代表取締役社長:園田 愛)は、同社が提供する疾患管理システム「YaDoc(ヤードック)」を活用し、術後患者さんのオンラインフォローアップを目指した実証研究を開始しましたので、お知らせします。

手術を終えて退院する患者さんには大きな不安があります。また、退院後の患者さんの状況を外来診療の限られた時間の中で適確に把握することは難しく、医療従事者にとって大きな課題です。

こうした中、聖路加国際病院は、術後の患者さんをオンラインでフォローアップする手法について検討するべく、疾患管理システム「YaDoc」を活用した実証研究を開始しました。

本研究は、第一段階として、呼吸器外科で手術を受けた患者さんを対象に、2019年7月~2020年3月にかけて行われます。参加いただく患者さんには、退院から約6週間の間、「YaDoc」アプリケーションを用いて、ご自身で『療養記録』をつけていただきます。血圧・脈拍・体温・酸素飽和度・服薬状況・睡眠や痛みの程度・歩数といった項目からなる『療養記録』はオンラインで主治医と共有され、次回の外来診察に活かされます。

02.png

本研究の目的は、『療養記録』を共有する上での技術的問題、患者さんにとっての意義や使いやすさ、受診勧奨に繋げる判断基準、既存の診療体制の中での活用方法といった課題を明確に把握し、今後のシステム構築に繋げることです。様々な領域の外科治療に対応できる形を目指して、まずは呼吸器外科の手術を受ける患者さんに「YaDoc」を使用していただき、実際の情報収集を行いながら今後の検討を進めていきます。

▼聖路加国際病院 呼吸器外科 医長 小島史嗣のコメント

外科技術の進歩で手術のご負担はどんどん小さくなっており、退院も社会復帰も早くなっていますが、退院後の経過を示す具体的なデータはごく僅かです。また、患者さんの不安を和らげ、疑問に答える仕組みは十分ではありません。オンライン診療にはまだ様々な制約や注意点がありますが、術後患者さんに対するサポートを充実させる可能性を秘めており、技術的な条件は満たされつつあります。  

また、退院後の状況をより詳細に把握し、適切な対応をとってゆくことで、術後のフォローアップの質が高まり、急変の危険性や再入院による医療コストを減らすことができると予想されています。

今回の取り組みはあくまで実証研究であり、オンラインで全てを完結させる訳ではありませんが、何より、患者さんご自身やご家族に役立つ仕組みを提供することが、患者参加型医療の推進にとって大切なポイントとなるでしょう。手術ばかりでなく、様々な領域の治療の後で、ご退院から社会復帰をサポートするような仕組み作りを目指して研究を進めたいと考えています。

▼株式会社インテグリティ・ヘルスケア 代表取締役社長 園田 愛のコメント

インテグリティ・ヘルスケアは、2018年1月の「YaDoc」一般提供開始当初から、医療機関が安心してオンライン診療を患者さんに提供できる環境を整備すべく、医療機関側・患者さん側それぞれのサポートセンターを設置し、「YaDoc」を利用される皆様への支援体制に力を注いで参りました。

本実証研究を支援するとともに、インテグリティ・ヘルスケアは「YaDoc」を導入する皆様の利便性をより一層高めるべく提供サービス内容の充実を図りながら、引き続き日本の医療の質向上に貢献して参ります。

 

詳細はこちらからご確認ください。
術後患者さんのオンラインフォローアップを目指した実証研究を開始